Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
03 選手は
何しに海外へ?



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2021/05/21 掲載




ACミラン時代の本田


 日本人選手の海外進出へのこだわりは計り知れない。確かに日本の文化やプレースタイルは欧米のそれとは全く異なるし、生まれ育った居心地のいい環境から飛び出してみることを否定しようとは思わない。しかし単に海外というだけではステータスにはならないのではないだろうか。
 5、6年前に日本代表で海外組と言えばACミランの本田とか、マンUの香川とか、インテルの長友とか”世界に認められた選手”みたいなイメージだったのが、最近では代表初招集の選手さえも海外でプレーしていたりする。例えばベルギー1部のシント・トロイデンには5人の日本人選手が所属しているものの、A代表の試合に出場したことがあるのは2人のみである。また今シーズンの出場試合数が10を超えているのも鈴木優磨とシュミット・ダニエル(日本人ね)2人のみ。つまり鈴木とシュミット以外の3人はベルギーリーグという比較的マイナーなリーグの下位(15/18位)に沈むチームへ行くためJリーグの強豪クラブ(浦和など)を離れたことになる。しかも試合に出られていないとなれば何しに海外へ渡ったのだろうか。
 日本のクラブは設備も整っており、言語から来るトラブルなども生まれない。先日日本代表FW、浅野が給料未払いを理由にパルチザン(セルビア1部)との契約解除に至ったがこのようなこともJリーグでは起こらないだろう。また、海外のチームがJの選手を見てないなんてこともない。現に2010年W杯の時点では内田も長友も岡崎もJでプレーしていた。もちろんW杯での活躍があってのステップアップだったのだろうが、その後の活躍を見ればJリーグは世界に通用する選手を生み出していることが分かるはずだ。
 つまり何が言いたいのかというと、本田とか香川あたりのベテランがそろそろ日本に帰ってきてもいいんじゃないっていうことだ。本田は本当に五輪に出たいのならアゼルバイジャンではなくJでプレーするべきだし、そうでなくても彼らの経験を次の世代に伝えることは日本サッカー界においても重要なことである。”海外”にこだわらずもう少し日本の良さを見直してもいいのではないだろうか。あとファンも待ってるし。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。来春から日本で大学生!