Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
05 OA枠が引っ張るのは
次の世代か、はたまた足か?



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2021/06/04 掲載







 オリンピック開幕まであと50日を切った。開催やら中止やら連日騒がれてはいるが、そのことについて話そうとは僕は思わない。なぜならそう、このコラムではサッカーについて話すと決めているからだ。
 つい先日サッカー男子の五輪に向けたメンバーが発表され、注目されていたオーバーエイジ(OA)も発表された。OA枠とは通常23歳(今大会に限り24歳)以下の選手しか出場が認められない五輪に、年齢制限を無視して出場が認められる最大3人の選手を指す。自国のベストプレイヤーを選んだり、23歳以下の選手では心もとないポジションを補強したりと、枠の使い方は国によって異なる。今回は、吉田麻也、遠藤航、酒井宏樹の3人だったのだが、僕にはこのOA枠の選出に神経質になってしまう訳がある。
 それはリオ五輪で藤春(迷ったけど名指しでいいや)のしでかした数々の見るに堪えないプレーだ。2016年、OAとして大会に臨んだ藤春はオウンゴール(「藤春 コロンビア」で検索、コメント欄が面白い)や失点に繋がるミスを連発、若い代表に安定ではなく混乱をもたらし日本代表をグループリーグ敗退に追い込んだ。もともとJリーグでプレーしている選手からOAを選ぶと聞いていて不安に思っていたのだが、オウンゴールさえなければ決勝トーナメントへ駒を進められていただけに僕の藤春への失望は大きかった。
 ちなみに今回のOAの選考は悪くないと僕は思う。3選手とも今シーズン継続して試合に出ていたし、攻撃に優秀な選手が揃っている中で守備を補強しようという狙いも納得できる。
 さてOAは東京で次の世代を引っ張る英雄になるのか、それとも足を引っ張る戦犯になるのか。優勝候補No1.のフランスと12年には金メダルを獲得したメキシコと同グループになってしまった以上、日本の決勝トーナメント進出を予想する人は少ないだろう。それでも僕は強豪との試合を見られることにワクワクしている。いい試合を見せてもらえれば結果は伴わなくとも満足できるだろう。
 あ、でもまだ開催は決まってないのかな。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。来春から日本で大学生!