Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
08 インターネット普及で
ファールは減った?



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2021/06/25 掲載




「闘犬」ガットゥーゾ。歴代屈指のボール奪取能力を誇るがファールも多かった。


 サッカーは昔と比べて激しくなくなった、とサッカー観戦歴が長い人の多くは思っているのではないだろうか。僕も薄々その様に感じていたのだが、今回実際に調べてみて裏付けを取ることができた。
 FIFAの公式マッチレポートを集計したサイトによると2002年日韓W杯、グループリーグの総ファール数は1705で一試合平均36であったが、2018年のロシアW杯では総ファール数は1294、平均は27まで減っていた。
 ではなぜサッカーは激しいプレーが減ったのか。様々な要因が考えられるがその理由の一つにインターネットの普及があると思う。インターネットのおかげで代表でのチームメイトはもちろん、所属クラブの元チームメイトとも容易に連絡が取れるようになってしまった。 SNSを見ていれば元チームメイトでも互いにフォローしあったり、誕生日を祝うメッセージを送ったりと、仲の良さが垣間見れる。なんなら古巣との対戦直後に元チームメイトとの写真をSNSに投稿していたりする。
 そしてインターネットの普及で”知り合い”と対戦する機会が増えたのではないだろうか。昔は退団したら途切れていた関係がネット上で続けることが出来るのだから。 現にロシアW杯では日本選手4人が当時のチームメイトと対戦しており、元チームメイトも含めると”知り合い”はさらに多かったと思われる。
 もちろん知り合いだからファールをしないということはないだろう。仲がいいからこそ遠慮なくやれる選手もいるだろう。しかし試合後に談笑しあっているのを見たりすると試合中にも一定の気遣いがあるのではないかと思ってしまう。 理由はどうであれファールで試合が止まるのを嫌う人もいるし、僕自身はファールが減ることで怪我も減るのなら大歓迎だ。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。来春から日本で大学生!