Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
15 ついに閉幕。
オリンピックで見えたものは



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2021/08/13 掲載




三位決定戦でメキシコに敗退


 オリンピックが終わった。女子はベスト8、男子は4位という結果は何を意味するのだろうか。
 日本の女子サッカーはまた低迷期に入っているのかもしれない。澤穂希や宮間あやなどを擁し、W杯優勝や五輪銀メダルを獲得したチームの多くが引退し、いいチームではあるがそれ以上でも以下でもない、そんな印象が残った。大会期間中に澤などのOGが言っていたように気持ちの面でも負けていた。昔はなでしこの強みであった一瞬先を読み、一歩、二歩先回りする動き出しが今回はなかった。スピードや体格で劣るのにプレスが後手後手になればボールを奪うのは難しい。自分のところで奪ってやる、という気持ちを持った選手がいなかった。ただ、技術は他の国に劣っていたとは思わないため改善点ははっきりしている。2年後のW杯ではどんなサッカーを見せてくれるのか。
 男子は単純に実力不足だったと思う。攻撃はパスでの崩しからロングボールまで多彩な攻めを見せてくれたし、オーバーエイジを含めた守備陣は安定した守りを見せていた。大会前は本気で金を狙えると思っていたし、今でも金を獲れるようなチームだと思っている。しかし、スペインやメキシコなどとの小さな差が4位という結果に繋がってしまった。ポストをかすめ外れていったシュート、コンマ何秒遅れたタックル、試合中にたまに途切れてしまう集中。五輪の舞台ではこれらのミスは見逃して貰えなかった。
 五輪の男子サッカーはトップへの登竜門であり、正直言って結果は重要ではない。この経験を踏まえて来年のカタールワールドカップまでに成長し、未だ到達したことないW杯ベスト8さらにはその先まで進めるような選手達になって欲しい。ポテンシャルは証明済みだ。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。来春から日本で大学生!