Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
16 ついに
メッシ移籍!



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2021/08/20 掲載







 メッシのパリ・サンジェルマン移籍が決まった。これをどう受け取るのかは人それぞれだが、色々な意味で僕はやっと実現したのだなという風に感じた。
 まず、メッシは1年前の時点でクラブに退団を申し入れていた。今回の移籍はその当時のいざこざとは関係ないものの、パリ移籍の可能性自体はその時から報道されていた。 その時からメッシがパリのユニフォームを着ている画像(フォトショップ済み)が出回っていたのもあり、”バルサのユニフォームを来てないメッシ”に違和感を感じることはなかった。もっとも実際にプレーする姿を見れば別かもしれないが。
 この移籍はパリが得る利益以上にバルサやスペインサッカー界へのダメージが大きい。バルサはクラブの生え抜きであり、精神的支柱であり、看板であり、サッカー史上類を見ない天才を失ったのだ。最近のサポーターはメッシのいないバルサを知らないかもしれない。 どんな苦しい状況でも試合を一人で変えられる能力を持つ選手がいると選手やサポーターはそれだけで前を向ける。メッシの抜けた穴を、技術的な意味でも精神的な意味でも、埋められる選手はどこにもいないだろう。
 逆にパリは悲願のチャンピオンズリーグ(CL)制覇にこれ以上ない程近づいた。メッシの他にもヨーロッパ選手権最優秀選手のGK、ジャンルイジ・ドンナルンマや昨シーズンまでレアルマドリードのキャプテンを努めた、セルヒオ・ラモス、他にもワイナルドゥム(19年CL優勝のリバプールから)や ハキミ(昨シーズンセリエA優勝のインテルから)など超一流選手を獲得した。プレッシャーはあるがそれが重荷にならないだろうことも簡単に予想できる。
 これまでバルサ一筋でプレーしていたメッシの移籍は何か時代の終わりを感じさせた。しかしメッシはもう一度CLを獲ることが目標だと語った。彼自身はまだ終わらせるつもりなどないということか。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。来春から日本で大学生!