Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
23 少しずれた
レーティング



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2021/10/08 掲載







 サッカーゲームといえば日本ではウイニングイレブンも有名だが、欧米で最初に名前が挙がるのはFIFAだろう。毎年新たなタイトルが発売されるが、その時に子供からプロ選手まで全プレイヤーが注目するのが選手のゲーム内のレーティングである。これは選手の能力を評価し、数値化したもので、現役選手の最高は93である。今月一日発売のFIFA22でもレーティング発表はちょっとしたイベントであった。YouTube上では選手が自身のレーティングに憤慨したり、チームメイト相手にマウントをとったりという動画が上がっており、僕も楽しませてもらった。
 しかし僕も疑問に思うようなレーティングは確かに存在する。FIFA22で日本人トップは鎌田大地(フランクフルト)で2位が遠藤航(シュツットガルト)というのは昨シーズンの彼らの活躍を見れば明白なのだが、彼らに続く3位は中島翔哉(ポルティモネンセ)なのだ。中島は生粋のドリブラーで僕も5年くらい前は毎試合追う程好きな選手だった。その当時、代表では10番を着けていたような選手なのだが、最近は活躍に乏しい。体調が優れない奥さんのために練習参加を拒否したり、靱帯断裂の大怪我を負ったりと仕方がない部分はあるもののここ3シーズンで7得点という数字はいい成績とは言えない。にも関わらずフランクフルトの要である長谷部誠と肩を並べ、昨シーズンの活躍で名門アーセナルへの移籍を勝ち取った富安健洋を上回るレーティングを得ているのは納得できない。
 でも自分の好きな選手が調子が上がらないなかでも評価されているのが嬉しくもある。中島はサッカー小僧と呼ばれるほどサッカーを楽しんでいる。プレー中でもよく笑顔を見せるし、ドリブルにも遊び心がある。なのでとりあえず中島にはレーティングが過大評価ではないということを証明してもらいたい。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。来春から日本で大学生!