Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
25 崖っぷちの
日本代表



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2021/10/22 掲載







 日本代表はカタールW杯のアジア最終予選、4試合を終えて2勝2敗の4位に沈んでいる。正直、初戦でオマーンに負けたとき(●0‐1)はまだ楽観視していた。アジアと難しい戦いになることは予想できたし、これも最終予選の洗礼なのだろうと思っていた。それが第3戦のサウジアラビアに負けたとき(●0‐1)に不安に変わった。順位表では日本より上だったサウジに日本はどうしても勝たなくてはならなかった。しかし主導権を握られ、パスミスからの失点という希望を感じられない負け方をしてしまった。
 それが一転、直近のオーストラリア戦では2‐1と、最終予選で初めて複数回相手のゴールネットを揺らし、首の皮一枚、希望をつないだ。実は豪州戦では戦術が少し変わっていたのだ。日本は長いこと、4‐2‐3‐1というフォーメーションを採用していたのだが、これを4‐3‐3に変更している。この変更の肝は中盤の選手の役割の変化だ。従来は遠藤(ボール奪取)、柴崎(ボール回し)の2人を中盤の底に置き、鎌田など1人のオフェンシブMFに攻撃を任せていた。しかし底の選手がどちらかといえば守備に特徴のある選手であったため、日本の攻撃は対策を練られやすい状況にあった。それを、4‐3‐3でMFの守備的仕事を遠藤に預け、先制点を決めた田中などの攻撃参加もできる選手を使うことでこの問題は改善されたように感じる。
 日本は現在サウジ、豪州、オマーンに続く4位だ。オマーンとは勝ち点では並んでいるため、実質、サウジと豪州を追う3位と考えていいだろう。豪州戦では久保、堂安などが負傷でプレーできなかった。その他にも三苫など、招集されなかった若手も多い。日本はアタッカーの選手層は厚い。相手の対策を無に帰すためにもまだまた試せることはあるはずだ。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。来春から日本で大学生!