Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
28 名監督の
系譜



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2021/11/12 掲載




バルセロナ新監督に就任したシャビ


 バルセロナのロナルド・クーマン監督が解任された。ディフェンダーとして現役時代はバルサでもプレーし、チャンピオンズリーグで得点王を受賞するなどレジェンドとして名を残している。しかし、監督としては上手くチームを導けず、批判にもさらされ続けていた。
 そして新しく監督に就任したのが、同じくバルサのレジェンドでカタールのクラブで指揮を執っていたシャビだ。選手としてはバルセロナで、ティキタカ(2000年代後半から一世を風靡したパスサッカー)の最も重要なピースとして正確で独創的なパスを武器にプレーした。
 その当時の監督ジョゼップ・グアルディオラは、現役の監督の中では3本の指に入るほどの名将で、スペイン、ドイツ、イングランドで3回ずづのリーグ優勝、3回の世界一などを成し遂げている。そして彼も現役時代はバルサでプレーしており、その時の監督は現代サッカーの創造主とも呼ばれるヨハン・クライフだ。
 クライフは選手として3度のバロンドール受賞など(他の実績は並べる必要ないね)歴史に名を残している選手だ。しかも監督としてもラ・リーガ4連覇やチャンピオンズカップ(現CL)優勝など成功を収めている。
 このようにバルサOBは監督としても成功を収めている選手の系譜がある。ちなみにクーマンも現役時代クライフの指揮するバルサでプレーしていたのだが、クライフ、グアルディオラ、シャビの3人にはクーマンにはない共通点がある。それはバルサでプレーしていた時、攻撃の要となっていた選手だということだ。伝統的に組織的な攻撃を行なうバルセロナにおいて攻撃の核となるには高いレベルでの戦術理解が必要になる。そこで培われた戦術眼が監督業においても役に立っているのかもしれない。
 選手としてはレジェンドでも監督としては輝けない人というのはクーマン含め多くいる。シャビはカタールでは結果を出しているが、バルサではどうなるか注目だ。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。来春から日本で大学生!