Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
33 サン=ジロワーズが
巻き起こす旋風



CONTENTS

2021/12/17 掲載




日本代表の三苫薫


 今季、ベルギーリーグでは番狂わせが起こっている。シーズン半分を終えた現時点で2部から昇格したてのユニオン・サン=ジロワーズがリーグトップを走っているのだ。サン=ジロワーズはベルギーリーグ優勝11回を誇るチームだが、1935年を最後に同タイトルからは遠ざかっており、1980年には一番下のリーグに降格するなど低迷していたチームだ。
 このサン=ジロワーズだが、今シーズン日本代表の三苫薫が移籍したことで名前を聞いた人もいるのではないだろうか。三苫は川崎フロンターレや五輪代表での活躍もあり、夏にイングランドプレミアリーグのブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンに移籍した。しかし、当時フル代表に招集されたことがなかった三苫はビザの条件を満たせず、ベルギーでの武者修行に送られることになった。
 おそらく、昇格したてのチームということで、ブライトンも三苫もチームとしての結果よりかは個人として経験を積むことを重視していたはずだ(2年前の久保建英のマヨルカ移籍と同じ)。それはおそらくサン=ジロワーズ側も承知しており、シーズン序盤にあまり出場機会を与えなかったのはそのためだ。
 しかし今ではどうだろう、サン=ジロワーズは2位とは勝ち点4差でトップを走っており、三苫はチームとしての結果も重視しなくてはいけなくなった。そしてサン=ジロワーズも優勝に向け、三苫をベンチに置いておくべきではないと、スタメンに選ぶことが増えてきている。
 ベルギーリーグはレギュラーシーズンと決勝ラウンドに分かれており、シーズンを一位で終えても優勝できるとは限らない。ということはサン=ジロワーズだけではなく、現在3位で、日本代表、三好康児が所属するアントワープにも優勝の可能性がある。
 人気は五大リーグに劣るが、日本人としては今シーズンのベルギーリーグからは目が離せない。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。来春から日本で大学生!