Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
36 動き出した
ニューカッスル



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2022/01/14 掲載




ニューカッスルデビューを飾ったトリッピアー


 昨年秋にサッカー界、特にプレミアリーグをざわつかせたニュースがある。ニューカッスル・ユナイテッド(イングランド1部)がサウジアラビアの投資ファンドに買収されたのだ。話自体は前々からあったのだが、サウジアラビアでの人権問題などに対しての批判を受け、話はまとまらずにいた。しかし、10月7日に買収が決まり、ニューカッスルは晴れて世界一リッチなクラブになった。
 お金はサッカー界でも当然大きな力を持つ。過去5シーズンで4回プレミアリーグ優勝を果たしたマンチェスターシティも昨年夏にリオネルメッシなどのビッグネームを相次ぎ獲得し超豪華なチームを作り上げたパリサンジェルマンも、補強の裏には膨大な予算(中東のオーナーのお陰)があった。そのため、今ではそのマンチェスターシティの何倍もの資金を持つニューカッスルには大型補強の噂が絶えない。
 そして今冬最初の補強は、イングランド代表サイドバック、キーラン・トリッピアーだった。スペインリーグ王者のレギュラーを引き抜いたと言えばこの移籍の重要さが分かりやすいだろうか。しかも予算オーバーという概念がないため、今後もまたビッグネーム獲得に動くだろう。
 しかしニューカッスルにも問題がある。それは今季不調で現在プレミアリーグでは降格圏の19/20位に沈んでいるということだ。今季もまだ半分残っており、挽回は十分可能だが、万が一2部リーグに落ちるようなことがあれば、お金の力だけで移籍を成立させるのは難しくなる。
 それでも今シーズンの結果に関わらず今後5年、10年と長い目で見たとき、ニューカッスルはヨーロッパで戦えるようなクラブに成長しているだろう。その道のりの第一歩ともいえる2022冬の移籍市場にはこれからも注目したい。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年半。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。春から日本で大学生!