Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
38 チャンス活かせず、
タイムリミット近づく南野



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2022/01/28 掲載




ゴールを決めたブレントフォード戦は自身の誕生日だった。


 この1月は南野拓実にとって勝負の一か月だった。所属しているリバプールのフォワード2人が代表戦のためチームを離脱したからだ。実際、リバプールの1月の6試合中怪我で欠場した1試合を除き全試合に出場したのだが、この機会を十分に活かせたとは言いづらい。
 欠場した2日と、3部のチームと対戦した9日の試合については省くが、まずは13日のリーグ杯準決勝、アーセナルとの試合で南野はスタメンに選ばれた。この試合はアーセナルが前半に退場者を出し、終始リバプールが攻め入る展開となっていたにも関わらず0対0で迎えてしまった試合終了間際、ゴール前にバウンドしたこぼれ球を南野はキーパーのいないゴールに蹴り込むことが出来なかった。
 しかし続く16日のプレミアリーグ第22節、ブレントフォードとの試合、74分に投入され、その3分後にはゴールを決めた。ゴール自体は簡単なものだったが、その前のプレスには南野の長所が良く表れていたと思う。また、ゴールに繋がるようなパスも2本出しており、いいパフォーマンスを見せていた。
 だが20日、23日の試合では、2試合とも後半約30分間の出場に留まり、どちらの試合も特筆すべきプレーは見られなかった。守備面では前線でのボール奪取など、一定の仕事をしているのだが、攻撃面は不十分だ。
 契約はあと2年残っているが、加入してから今までの2年間で目立った活躍のない南野に残されたチャンスは多くない。アーセナル戦でのミスは南野のリバプールでのキャリアそのものだと解説者に言われ、少数派ではあるものの、ファンの中には南野ではなくアカデミーの若手を起用すべきだと考える人もいる。彼らを黙らせるほどの活躍ができていないのは事実だし、僕自身、南野はリバプールではなく中堅クラスのチームなら試合に出場し、活躍できるだろうと思う。選ぶのは南野だが、タイムリミットは近づいてきている。次は2月6日、FAカップ、カーディフ戦だ。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年半。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。春から日本で大学生!