Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
39 生粋のサッカー小僧、
中島翔哉



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2022/02/04 掲載




現在はポルティモネンセでプレーする中島翔哉


 リオ五輪あたりを見ていた人なら2022年日本代表で10番を背負っているのは南野拓実ではなく中島翔哉だと思っていたのではないだろうか。
 中島は日本代表ではユース時代から10番を着け、2016年のU-23アジアカップでは優勝し、大会MVPにも選ばれている。2018年のロシアW杯では監督の方針か(大会直前のハリル監督の解任という混乱から、比較的代表経験のある選手が選ばれ)中島や南野など若手は選出されなかったが、2019年のコパアメリカに招待国として参加した日本代表では10番をつけた。この大会は日本サッカー協会の招集に強制力がなかったため、招集できなかった選手も多く、当時大学生の上田綺世が選ばれるなどしていたのだが、中島は久保建英らと共に攻撃を牽引していた。同じ年にはポルトガルの名門ポルトに移籍するなど、順調にステップアップしているように見えた。
 しかしコロナ禍で流れが変わってしまう。喘息持ちの妻を、帰国してしまったスタッフの代わりに看病するため、チームとの合流を拒否したのだ。チームの優勝セレモニーには参加せず、練習も個人で行なっていたのだが、その後出場機会は与えられなかった。移籍したアルアイン(UAE)でも足首脛骨骨折および靭帯断裂という大怪我を負い、出場はわずか2試合にとどまった。
 前述のコパアメリカ以降、中島は代表には選ばれていないが、彼のプレーをまた代表で見たい。キレのあるドリブル、チャンスメイクもできる視野の広さ、ペナルティエリア外からのミドルシュート、そしてサッカーを楽しむ気持ちを忘れない心。中島ほど試合中に笑顔を見せる選手は珍しい。
 古巣ポルティモネンセに復帰してからは継続的に試合に出場している。しかし今の代表は攻撃のタレントが豊富なため、今年のW杯代表に選ばれるためには今以上の活躍が必要だろう。
 ロシアW杯で日本代表は強豪ベルギー相手に2点のリードを守り切れなかった。中島の、舞台や相手に左右されないメンタリティーは代表にもプラスになると信じている。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年半。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。春から日本で大学生!