Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
41 名門ユナイテッドは
どこへ...



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2022/02/18 掲載




本拠地のOld Trafford


 今シーズン開幕前、マンチェスターユナイテッドのファンはチームが何かしらのトロフィーを掲げるだろうと予想していた。プレミアリーグ優勝も含め、僕もその予想が的外れなものとは思わなかった。
 それもそのはず、夏の移籍市場ではクリスティアーノ・ロナウド、ロナウドと共にレアルマドリードで3年連続世界一を達成したセンターバック、ヴァラン、そしてドイツで確実なインパクトを残していた20歳イングランド代表、サンチョの三人を獲得したからだ。それに加え、チームは前シーズン好調な後半戦を送り、2位でフィニッシュしており、フェルナンデスとショーの二人は年間ベストイレブンに選ばれていた。さらにシーズンが開幕しても、波のあるパフォーマンスが批判されていたミッドフィルダー、ポグバの4アシストもあり、開幕戦は5‐1の快勝、そして4試合消化した時点で首位、と完璧なスタートを切っていた。
 しかし今、国内のFAカップ、リーグカップともに早々に敗退、チャンピオンズリーグではベスト16に残っているものの、プレミアリーグでは5位、しかも未消化試合のある他クラブの結果次第では24試合を終えた段階で8位まで落ちる可能性がある、という状態だ。
 ユナイテッドの一番の問題は11人の選手が一つのチームとして機能していないことのように感じる。チームとしての崩しはレアで、個人の力に頼らざるを得ない局面が多くなり、組織的な相手の守備を崩せない。そして比較的失点の多いユナイテッドは引き分けや負けが多くなる。さらに問題なのは監督交代というチームを立て直すための切り札ともいえるカードを今シーズンすでに切っており、テコ入れの手段がないことだ。
 選手もファンも望んでいた人事だったが、チームの現状にファンは耐えられるのか。それともチームは持ち直すのか、直近6試合でノーゴールのロナウド含め、名門の重圧は選手に重くのしかかっている。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年半。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。春から日本で大学生!