Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
43 ウクライナ侵攻、
サッカー界の反応



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2022/03/04 掲載




“STOP WAR”と書かれた横断幕を掲げる選手達


 ロシアによるウクライナ侵攻に対して、大規模な経済制裁や、世界規模のデモ活動が行なわれているが、サッカー界もロシア企業とのスポンサー契約を打ち切るなどの対応を取り始めている。
 抗議活動としては、25日に行なわれたヨーロッパリーグベスト32のバルセロナ対ナポリの一戦では、両クラブの選手が”STOP WAR”と書かれた横断幕を掲げる一幕があった。
 また、国レベルでは、3月末に予定されているW杯プレーオフでロシアと対戦するポーランドは「簡単な決断ではなかったが、サッカーより大切なものがある」との声明を出し、ロシアと対戦する意思がないことを示した。同時に、同じようにロシアと対戦する可能性のあるスウェーデン、チェコのサッカー協会とも連携し、同じ意向であることを強調している。これに関して、バイエルン・ミュンヘンでプレーするポーランド代表、ロベルト・レヴァンドフスキもツイッターに、「今、この状況で、ロシア代表と対戦することはできない。ロシア人選手やファンに責任はないが、見て見ぬふりはできない」と綴り、決定を支持している。同選手はウクライナの国旗を模した腕章をつけてプレーするなど、ピッチ上でも抗議の意を示している。
 そして、チェルシーのオーナーである、ロシア人実業家、ロマン・アブラモヴィッチはクラブの管理、運営権をクラブが保有する慈善財団に譲渡したことが分かった。アブラモヴィッチは潤沢な資金を元手にクラブを強化し、チェルシーは今シーズンクラブW杯優勝、つまり世界一の称号を手に入れていた。しかしプーチン大統領との繋がりも指摘されており、英国政府から資産の凍結、クラブ保有権のはく奪などの可能性があったため、この決断に至ったと思われる。
 2018年のW杯では開催国としてベスト8進出というドラマを見せてくれたロシア、レヴァンドフスキのいうように見て見ぬふりはできない。サッカー界にできることは何か、それを考え続けてほしい。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年半。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。春から日本で大学生!